ベトナムで小児脳炎(日本脳炎も含まれる)

Q:
ニュースで、『ベトナムで小児脳炎(日本脳炎も含まれる)が流行っている』と放送されました。
子供(8歳と5歳)の二人とも日本脳炎の予防接種を受けていません。
今のうちに受けておいた方が良いのでしょうか?

A:
日本脳炎ウイルスはは人、馬、豚、鳥などに感染するウイルスで、感染動物の血を吸った蚊に刺されるとその唾液で感染します。感染を受けてもブタの場合は脳炎は起こしません。人や馬の場合は脳炎を起こす可能性があり、その頻度は感染者の1000人に1-20人といわれています。
日本脳炎ウイルスはアジアにおける脳炎の最大の主要病原体で、南アジア、東南アジア一帯に広く分布しています。日本だけの病気ではありませんのでご注意ください。1969-71年にはタイで、1973年にはインドベンガル地方で大流行していますここシンガポールでは流行はまれで一般にワクチンは勧められていませんが、マレーシアやインドネシアでは地域的流行がみられます。ジョホールやバリ島では患者が発生しているので、やはり予防接種は必要と思われます。
日本では1954年以降予防接種が実施されました1995年以降は定期接種として行われています。確認患者数は1972年以降は100人以下で、
1992年以降は年間4人以下のペースです。予防接種導入後患者数は激減しました。
日本での患者はほとんどすべてが予防接種をおこなっていない人です。
日本の定期予防接種では通常3歳で行いますが1歳半からの接種が可能です。
アジア圏で生活するのであれば予防接種は必要と思われます。

ラッフルズ・ジャパニーズ・クリニック 大西医師
シンガポール 知って得する医療の豆知識