異所性心房調律は妊娠、出産に影響ありませんか?

Q:
今年の健康診断で異所性心房調律と診断されました。シンガポールのある病院へ(内科医)行ったのですが、特に治療の必要性はないといわれました。
実際、症状はまったくないのですが、妊娠したようで、妊娠、出産に影響がないものか不安です

A:
心臓には電気刺激の発生源と通り道があり、洞結節と呼ばれる部分が刺激の発生源です。ところが心房のどこか別の場所から発生する場合がありそれを心房調律と呼びます。一口に心房調律といってもいろいろな形態が考えられます。単純な異所性心房調律やペースメーカーの移動(ワンダリングペースメーカー)は、洞結節の傷害、自律神経の影響、時に全く健康な人(特に小児)にも見られます。この場合一般に治療は必要なく、心機能にも問題を生じません。もちろん妊娠出産にも影響はありません。

しかしながら、他の異所性刺激生成異常(心房調律を生じる疾患、上室性期外収縮、発作性上室性頻拍、ブロックに対する補充調律など)との鑑別をしっかり行う事が必要です。

ご相談者の場合、おそらくは単純な異所性心房調律だったのではと思いますが、ご質問内容だけではわかりません。よく主治医に相談するか心配なら循環器の専門医の診断を受けましょう。

ラッフルズ・ジャパニーズ・クリニック 大西医師
シンガポール 知って得する医療の豆知識