インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで発症する感染症で、他の風邪に比べて高熱が続き、関節痛や筋肉痛を伴うことが多いです。
体力のない高齢者では、肺炎などの二次感染を起こして命にかかわることもあります。

外来でも鼻に細い綿棒を入れて診断検査ができますが、検査が早すぎると感染していても陰性になってしまうため、必ずしも万能ではありません。

発症後早期であればウイルスの増殖を抑える薬がありますが、時間がたっている場合は有効ではありません。
基本的には他のウイルス性の風邪と同様に、発熱に対して解熱剤を適切に使用し、咳や鼻水を抑えるなどの対症療法を行います。
高齢者や心臓などに持病がなければ、1週間弱の静養で回復しますが、予想以上に体力が奪われるため無理は禁物です。

日本を含めた温帯地域では冬にピークがあり、それ以外の季節に流行はほとんど見られませんが、シンガポールでは季節がない上に、閉鎖空間の冷房による「低温と乾燥」がインフルエンザウイルスの増殖には絶好の条件となり、一年中いつでも発症する可能性があります。
その際には幼稚園・学校や周囲での流行状況が診断の参考になります。

また、予防接種を受けておくと症状が軽くて済み、肺炎等の合併症を防ぐことができます。
北半球の流行にあわせて11月前後の接種が標準的です。