A,B型肝炎の予防接種を受けたほうがいいのでしょうか?
Q:
日本から両親と姉妹が遊びに来ます。全員大のシーフード好きで、毎日海鮮料理三昧となります。短期間の滞在でもA,B型肝炎の予防接種を受けたほうが
よろしいでしょうか?その場合は日本で事前にしたほうがよろしいのでしょか?
また、友人がカナダに新婚旅行に行って、東海岸でシーフードを食べて、夫婦揃ってA型肝炎になったばかりなので、シンガポールでもそのような事件がおきているのか も 気になりますので教えてください。
A:
A型肝炎は食べ物で感染します。特に魚介類の生食は気をつけなくてはいけません。魚介類の中でも貝類、カキやシンガポールでよく食される赤貝などは完全に火の通ったもの以外は食べないようにしましょう。生煮えのものから出る汁も危険です。一方B型肝炎は血液を介しての感染です。そういった意味ではB型肝炎は生活に十分気をつければ感染は防げます。
観光での短期滞在であれば、主に問題となるのはA型肝炎でしょう。
一般に予防接種の効果はすぐに出るわけではありません。接種完了後2週間ほどかかります。また、A型肝炎、B型肝炎共に通常は複数回の接種が必要となります。複数回の接種を行うことには免疫を付ける目的と同時に免疫を長持ちさせる目的があります。
やむを得ず緊急で免疫を付けるには初回接種後2週間目にもう一度接種して完了するというやり方を取ります。もちろん、100%の人に免疫効果が出るわけではありません。
このような事実から、予防接種をするにしてもシンガポールに来てからでは、今回の旅行での予防接種効果は期待できません。
シンガポールでのA型肝炎の発症数ですが、保健省の統計によると大体年間100人弱です。他のアジア諸国に比べれば格段に少ない数字です。以上の事実を基にして、日程などと相談しながらどうするか決めるといいでしょう。
個人的な意見としては、今回に限らず海外に出ることもあるでしょうし、魚介類の生食の好きな日本人は予防接種をしておくほうがいいと思います。今回の旅行に間に合うかどうかにかかわらず、思い立ったときに、将来のために行っておいたらいかがでしょうか。