抗生物質は飲みきらなくてはならないのですか?

Q:
子供が気管支炎になり、2種類の抗生物質が処方されましたが、「最後まで(一種間)飲みきらなくてはいけない」と何度も言われました。日本では、薬の中に予め混ぜて処方された事はありましたが、1週間も飲みませんでした。日本の抗生物質と、こちらの物は違うのでしょうか?私自身、抗生物質を服用すると吐き気を催すので、子供にもあまり長く服用させたくありません。体調が良くなったら、途中で止める事は可能なのでしょうか?ご回答、宜しくお願い致します。

A:
急性気管支炎に対する抗生物質投与に関して、シンガポールと日本の抗生物質に違いの有無と1週間投与の是非についてのご質問ですが、まず第一に、シンガポールと日本の抗生物質の内容(中身)に違いはありません。違いがあるといえば日本ではドライシロップが主流ですが、シンガポールでは欧米と同じで粉薬を水で溶かしたサスペンション(あるいはシロップ)というふうな違いだけです。

また、服薬期間については病気の種類、症状の強弱や全身状態によって決まることが多いのですが、よくあるのが抗生物質を服用し始めてその効果が現れて熱が下がるなど状態が良くなってきたので、服用を中止すると病原菌をやっつけきることができずに、病原菌が残存してしまって何日か時間を置いて症状が再発してくることがあります。つまり治りきっていないということになるのです。このようなことを防ぐために、5日から1週間というような期間を決めて服用していただくわけです。

抗生物質を服用して吐き気がしたり胃が痛くなったりすることがありますが、そのような症状が出やすい方には胃薬を一緒に服用するようにしていただくのが得策です。

抗生物質にしろ他の薬にしろ、服薬内容や期間については医師とご相談いただくことが、治療上あるいは副作用を防ぐ上で最も重要だと思います。

ラッフルズ・ジャパニーズ・クリニック 永山医師
シンガポール 知って得する医療の豆知識