デング熱
蚊が媒介する感染症で、突然の発熱と関節痛や頭痛などの症状はインフルエンザに似たところがありますが、多くの場合、発症後3、4日すると全身に発疹が広がることが特徴です。
通常は1週間以内に症状は改善して治癒しますので、それほど心配する必要はありません。
しかし、発熱が終わりかけたころに全身の出血傾向(鼻血が出やすい、便に血が混じるなど)が見られて、血圧が低下する「デング出血熱」が数%の割合で認められます。
これは重症になると生命にかかわるので、入院してしっかりと管理をする必要があります。
この病気と症状が似ている病気としてチクングニア熱とジカ熱があり、どちらもデング熱と同様に蚊が媒介します。
これらは臨床症状だけで完全に区別することはできないので、デング熱を疑ったときは血液検査にて診断をつけることになります。
また、ジカ熱は妊娠中に感染すると胎児に小頭症が発生することが知られており、妊娠中は防蚊対策や流行地への渡航を控えるといった注意が必要です。
いずれも特異的な治療法がないため、対策としては蚊に刺されないよう肌の露出を極力抑え、虫除けスプレーをしっかり使うことが大切です。