Hibワクチンについて

Q:
Hibワクチンについてですが、現在2歳8ヶ月になる子供に摂取すべきか教えてください。細菌性髄膜炎は2歳未満にかかることが多く、3歳過ぎあたりから自然獲得により抗体を持つようになり、5歳以降は摂取不要といったことから考えると、あと4ヶ月ほどで3歳になるので、自然と抗体を得られる可能性が高いのであれば、副作用等も考えると摂取しなくてもよいのではないか、あるいは、まだ2~3才では摂取をしたほうがはるかに予防効果が高いのか、どちらなのでしょうか。今月中旬から幼稚園に通い始めることもあり摂取を迷っています。集団生活をするには、やはり摂取しておいたほうが賢明なのでしょうか。また、シンガポールではヒブによる感染は多いのでしょうか?

A:
シンガポールのみならず全世界的に見て、インフルエンザ桿菌b型(Hib)による重症感染症はいまだに見られます。残念ながら、先進国の中でも日本は予防接種の普及は遅れており、ワクチンの受け易さから言っても、シンガポールにいるうちに接種することをお薦めします。確かに仰る通り、細菌性髄膜炎は2歳までの乳幼児が罹患し易いですが、「2歳過ぎたら罹患しない」とは言いきれません。また、Hibは敗血症や重症肺炎などの原因菌でもあります。普通に鼻腔にいる菌で、集団生活の中で「貰いっこ」することは避けられません。自分の免疫系が弱れば、そこにいた菌がたちまち力を持ち始めて症状を起こし得ます。現にHibに関しては1歳から5歳までの子は一回接種をするように推奨されています。(それ以前の乳幼児は接種回数は増えます。)単独接種では副反応はほとんど見られませんし、メリットの方が大きいと思います。

ラッフルズ・ジャパニーズ・クリニック 元田玲奈医師
シンガポール 知って得する医療の豆知識