幼小児の鼡径ヘルニア

Q:
8才の娘が鼠径ヘルニアだと思うのですが、受診がのびのびになっています。シンガポールで手術をする場合の窓口や、手術の詳細について教えていただけ ますでしょうか?

A:
幼小児の鼡径ヘルニアの大半は外鼡径ヘルニアで、先天性のものが大部分です。
血管などが通るための腹膜に開いた穴が大きすぎたりすると、そこから腸管がはみ出るわけです。女児では腸管とともに卵巣がヘルニア内容となり、卵巣間膜がヘルニア嚢の一部を形成する滑脱ヘルニアを生じることもあります。
自然治癒は1歳をすぎると期待できず、嵌頓(はみ出たものが戻らなくなり、その上締め付けられて血行障害に陥り突出部分が壊死してしまう危険な状態のこと。)などの合併症の危険を考えて、手術治療が勧められます。手術は一般外科で行われます。開腹するわけではないので比較的簡単な手術です。シンガポールでは通常1泊2日の入院で可能です。以前は穴を縫い合わせる手術を行っていましたが、最近では合成繊維でできたパッチを当てて穴をふさいでしまう方法が主流です。合併症は、時に傷口が感染をおこして化膿することがありますが、非常にまれで、その他大きな合併症はありません。
外科の専門医に直接受診もできますが、まずは日本人医師に相談して専門医を紹介してもらうのが一番安心でしょう。よろしければクリニックの方にご相談にお越しください。

ラッフルズ・ジャパニーズ・クリニック 大西医師
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