胃のポリープ

Q:
日本への帰国時に健康診断を受けました。結果、胃のレントゲンで胃下部に米粒大のポリープがあるとの事。しかし、診断結果には、再検査や治療を促すコメントは無く、どうすれば良いのか分かりません。ポリープには良・悪性があると 聞いたので心配です。また、シンガポールで再検査・治療をした場合、費用はどの程度な のでしょうか?費用は旅行傷害保険でカバーできるものでしょか?

A:
胃のレントゲンでポリープが検出されることはよくあります。厳密な意味でのポリープは正常な上皮性の隆起を指し、基本的には良性のものを言います。しかしながら胃の隆起性病変を総称してポリープという言葉を使っていることもあり、その場合は悪性のものも含まれることになります。
一般に隆起性病変は良性と悪性のものに分類でき、良性のものには、胃ポリープ、胃粘膜下腫瘍、良・悪性境界領域病変などがあります。悪性のものは早期癌、進行癌、肉腫などがあります。これらの鑑別はその病変の形状や大きさ、表面の様子、周囲の状態などから判断します。良性ポリープは、なだらかな立ち上がりを見せ、表面は平滑です。逆に立ち上がりが鮮明で、輪郭、表面とも凹凸が強くなるほど悪性の可能性が高くなります。
おそらく何もコメントがないということは狭い意味での胃ポリープを指しており、特別追加検査処置を必要としないということと解釈できそうですが、これだけの情報ではなんともいえません。心配なら受診の医療機関に問い合わせるのがいいでしょう。
ちなみに、何か検査を行うとすれば再検査ではなく胃カメラを行うべきでしょう。胃カメラの費用については、日本の場合保険医療ですからどこでも一律料金ですが、シンガポールでは自由診療ですから、行う医師、施設によって料金はまちまちです。日本より高額で、300~1000ドル程度します。
海外旅行者保険が適応になるかどうかですが、胃ポリープという病名はつきますので、保険加入前に指摘されたものでなければ、また、加入前には存在しなかったと医師が認めれば一般には適応になると思われます。しかしながら契約内容は個人によって異なり、また、最終的には保険会社の解釈・判断となりますので、保険会社にあらかじめ問い合わせるのがいいでしょう。

ラッフルズ・ジャパニーズ・クリニック 大西医師
シンガポール 知って得する医療の豆知識