最近1週間のシンガポール疾病状況 2021/1/12
先週も当院ではインフルエンザはみられませんでした。
マイコプラズマ感染症、溶連菌感染症、手足口病やデング熱はいずれもみられませんでした。
アメーバ赤痢が1例みられました。
これは原虫の1種である赤痢アメーバによる感染症です。
赤痢アメーバは栄養型と嚢子という2種類の形態をとり、糞便中に排泄された嚢子を経口摂取することで感染します。
症状は粘血便、下痢、しぶり腹、下腹部痛が代表的ですが、約5%は腸管以外の肝臓や肺にも感染するとされています。
なお、潜伏期間はおよそ2~3週間ですが、時に数か月から数年に及ぶこともあります。
また、伝染性膿痂疹(とびひ)が数例みられました。
これは湿疹や虫刺されなどを掻き壊した部位に細菌が感染し、膿疱(膿の混じった水疱)や痂皮(かさぶた)を形成する皮膚疾患です。
感染力が強く、患部に触れた手でほかの部位を引っかいたりするとその部位に症状が広がります。
また、接触などで他者へ感染することもあります。
アメーバ赤痢も伝染性膿痂疹も病院での治療が必要ですので、疑われた場合はすみやかに受診していただくようお願いいたします。
シンガポールの医療事情を知るなら:
シンガポール知って得する医療の豆知識(当サイト内)
情報提供:ラッフルズジャパニーズクリニック