パソナ・竹之下氏・森村氏にインタビュー

2012年1月から変更になった就労ビザ条件をふまえて、パソナ・シンガポールのコンサルタント竹之下氏と営業の森村氏にお話を伺いました。

・最近のシンガポールの日本人雇用について(昨年との比較)お聞かせください。

 まず、今のところ日本人の求人数全体は昨年と同じレベルで推移しています。

外資系企業(日系企業以外)からのコールセンター関連求人などが安定してある一方で、日系企業からは、最近特に新規立ち上げに関わるポジションの求人が増加しています。また、地域統括本社の設置に伴い、現地採用化を進めている企業もある為、高いレベルのポジションのニーズも増加傾向にあります。その為、シンガポールでの就業経験や地域統括経験を持たれている方は比較有利かと思います。

さて、最近時々話題にあがる新卒の海外就職についてですが、シンガポールでは職務経験が重視されます。
よって、新卒でシンガポール就職をお考えになるのはあまりお勧めできませんが、強くシンガポール就職を希望される場合には、
1-語学力、2-何にでも挑戦するという熱意、3-待ちの姿勢ではなく自ら学び考える姿勢、4-日本のように一から十まで仕事を指導してくる環境でないことを認識する事、5-メディアで報道されているシンガポールのイメージだけでなく、現地の実情を事前に把握する事、などが必要です。
しかしながら、当地での日本人の新卒の求人は、元来少なく、新卒であれば日本語ができるローカル人材の新卒を雇用するという傾向にあります。

 

・最近のEP(エンプロイメント・パス)取得の注意点(昨年との比較)は?

アシスタントや簡単な事務の仕事においては、就労ビザの種類がEPでなく、Sパス取得を取得される方が多く見受けられます。また、就労ビザの取得条件が厳しくなった為に、PR・DPの採用を優先的にとお考えの企業も増えてきました。

最近は、全体的に職種に関係なく、Sパス取得者が増加している傾向にあります。弊社が対応させて頂いている中では、就労ビザが取れずに、シンガポールで働けなくなった方はいらっしゃいません。これはご紹介する企業にビザ申請基準改定後の取得状況を事前に伝えて給与の幅を緩和してもらったり、Sパス枠の有無を確認したりしているからでもあると思えます。

Sパス取得の枠を持つ企業か否かは、求職者が確実に働く事のできるか否かで、大切なポイントのひとつと考えます。
シンガポールで働く日本人現地採用の雇用数は今のところ変わりはありませんが、雇用サイドである企業の方でも各社お互いに日本人の雇用というものについて情報交換していらっしゃる様です。これからは、何かしらの影響が出てくるのではないかと思っています。

日本人を雇っていたポジションに替えて、シンガポール人を採用ということは今後あり得るかもしれません。

日本人採用に関して、英語の重要性は変わらないのは言うまでもなく、加えて職務経験の重視度はビザ取得に絡んで増えたと言えるでしょう。その為、シンガポールで心機一転、別の業種へとお考えの方には、ハードルが高くなってしまったのが現状です。
給与については企業サイドにも理解が広がったと共に、採用については以前以上に職務経験を重視される傾向がありますので、人材紹介会社の私共としましても、その点を考慮した上でお仕事を紹介させていただきたく思います。

(注)EP=エンプロイメント・パスとSパスは、シンガポールの就労ビザの種類であり、働く人の収入・ポジションによって取得できる種類が異なる。PRは永住権保持者、DPは配偶者ビザ。

 

・貴社のサービスについてお聞かせください。

パソナシンガポールは、シンガポールに設立以来、約30年の実績をもつ人材会社です。幅広い業界・職種を網羅し、現地スタッフや日本語・韓国語などの多言語スピーキングスタッフの紹介・派遣サービスを展開しています。
また、世界35拠点を越える海外オフィスとのネットワークを駆使し、海外採用対象のポジションも豊富に取り揃えております。国内外で、就職・採用をお考えの際は、パソナ・シンガポールまでお気軽にご連絡ください。

パソナ・シンガポールのウェブサイト
(インタビュー’12年5月)