子供が頭を強打しました。

Q:
娘(1才10ヶ月)が二日前にベットから落ち頭を強打、少し意識がなくなり脳しんとうをおこしました(嘔吐はありません)。 レントゲンでは異常なく強打後も少し機嫌は悪い感じでしたが普通に元気に遊んでいます。 しかし朝起きる時に、普通は泣くことなく起きていたのが、強打後は二日間、朝は泣いて起きるようになりました。頭を打ったことと関係があるのでしょうか?

A:
小児の頭部打撲には詳細な問診と神経学的な診察が必要になります。いつ、どのようにして、どこを受傷したのか、意識状態のレベルと嘔吐やけいれんがないかどうかなどをチェックします。
全身状態に問題がないかどうか、姿勢が変ではないかどうか、受傷部の状況(骨折の有無)、目の検査(瞳孔の状態)、脳圧が高くなったときに出るような症状(大泉門がふくらむ、血圧上昇、脈が遅くなる、呼吸がおかしくなる)がないかどうかなどを調べます。
受傷直後、1~2回の嘔吐、不機嫌など多少でも疑わしい症状、症候があれば1~2時間後、再度医師による診察を受けるべきでしょう。
無症状であっても2~3日間は必ずお母さんの観察が必要です。注意すべき内容は上記のようなことですが、その際に医師からの指導を受けたほうが安心でしょう。その間、鎮痛薬や制吐薬は症状をマスクしてしまうので使わないようにしましょう。
一過性でも意識障害があったり、めまい、頭痛、嘔吐が続くようなら脳外科医に相談すべきです。
骨折を疑う場合レントゲン検査は有効ですが、頭蓋内外傷が疑われる場合はレントゲンではわかりません。骨折と頭蓋内出血は必ずしも関係がないとされており、その場合にはCT検査がもっとも有効です。

以上、一般的な知識についてお話しましたが、個々の場合については、患者さんを診察しないと断定的なことはいえません。心配があれば、このお話を参考にして、主治医に相談するか、もしくは医師の診察を受けるようにしましょう。

ラッフルズ・ジャパニーズ・クリニック 大西医師
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