スマトラ沖地震関連、感染症対策
Q:
スマトラ沖地震の影響で被災地に感染症発生の危険性が指摘されていますが、シンガポールで生活している人が今後注意すべき点、特に家族に乳幼児がいる場合の注意点がありましたら教えてください
A:
スマトラ沖地震・津波の被災地に感染症、特に下痢性伝染病(コレラ、赤痢等)が拡がる可能性が危惧されています。安全で清潔な飲料水が確保されていないということや汚水(糞尿)の処理が不可能であることから上記のような水を介した伝染病が流行するわけです。
シンガポールで生活する我々にとって震源地であるインドネシアのアチェ地域は直近の被災地であるわけですが、もともと、シンガポールとアチェとの間では人の行き来はそれほど頻繁ではなく、実際、マレーシア半島西岸地域との人的交流が深いと考えられます。そのため上記のような伝染病が人の流れに伴って拡がる場合、まずマレーシアでワンクッションおかれる可能性が高いと考えられます。したがって、直接シンガポールに持ち込まれる可能性は低いと考えてもいいでしょう。
またインド、スリランカ、タイ南部からの伝染病流入は航空機を介しての人の流れによるので、散発的な患者流入はありえますが、基本的には糞便による汚染を原因とする下痢性伝染病は、空気感染によって拡大したSARS流行とは異なり、安全な上下水道が完備されているシンガポールでは封じ込めることが十分可能です。以上より、過度のご心配は必要ないと考えられますが、石鹸を用いた手洗いとできる限り加熱処理された飲食物の摂取がこのような感染症の最大の予防策であることを再確認していただきたいと思います。