子供の脳波の異常

Q:
過去に熱性けいれんの質問のお答えで「…その場合は脳神経専門の小児科医を受診するのが望ましいでしょう」とありましたが、うちの子供も脳波の異常がみられ、投薬治療はしておりませんが、脳神経専門の小児科医のもとで定期的に脳波検査が必要と いわれております。
その場合、まず日本人の小児科医を受診し、そこで脳神経専門の小児科医を紹介していただいたらよろしいでしょうか?また、脳神経専門の日本人の小児科医はいらっしゃいますで しょうか?
もし日本人の専門医がおられない場合は、英語が話せなくても英文の診断証明書と脳波検査結果のコピーを持参すれば受診可能 でしょうか?

A:
ラッフルズジャパニーズクリニック小児科の元田と申します。
もともと日本では神経外来を担当していましたので、こちらにいらっしゃった際には、私の外来で引き続き定期的診察を受けることは可能です。
ただし、残念ながらラッフルズ病院には脳波検査の機械がなく、別の病院に行って頂いて検査を受けて、私の外来に脳波を持って来て頂くことになります。他院での脳波検査の費用が日本円で10000円前後します。定期的(おそらく年に2回くらいでしょうか)に病院を行き来して頂くことにはなり、やりにくいことを御了承下さい。
もう一つの方法は、最初からこちらの小児病院や大学病院小児科の神経専門医に診てもらうという方法です。そこでなら、診察も検査も一カ所で済みます。ただし、診療の全てが英語という問題があります。その場合はもちろん英語の紹介状を日本で用意するようにしてください。これらの病院には、紹介がなくともご自身で予約を取られて直接受診することができます。
こちらにいらっしゃる際に海外旅行保険に入られるかもしれませんが、普通の風邪や皮膚疾患などは気楽に病院にかかることができます。でも、日本にいる時からの既往症の場合は海外旅行保険がききません。また、来星後発症の場合も、初診日から180日間だけ保険が適用されます。180日以降は(この疾患に関しては)定期的診察は自費になります。私が診ている患者でホルモン治療が必要な子がいますが、その子の場合は会社払いを申請しているようです。他には、先天奇形の慢性特定疾患を日本で持っている人は、こちらで自費で検査して、後から日本に申請するという人もいます。
脳波のフォローだけでもお金がかかることは御了承下さい。
例えば、投薬もなくて検査だけならば、一年に2回の脳波だけは日本に一時帰国した際についでにやってくる、ということもできます。その為には保険証を残しておく必要がありますが。
どのようなフォローの仕方が経済的にも妥当なのか、今のうちから検討しておいた方が良いと思います。現実的なお話で申し訳ありませんが、来てから困惑されるよりは今のうちから御理解頂いた方が良いかと思ってお話ししました。

ラッフルズ・ジャパニーズ・クリニック 元田医師
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